2018年7月22日日曜日

Feasibility Study(3)ヒアリング調査実施


F/Sの最重要項目は(潜在)顧客、(潜在)パートナーへのヒアリング調査になります。「潜在」と書いているのは、まだ進出計画先に顧客基盤が無いことが大半だと思うからですが、既に顧客がいる場合はその顧客をヒアリング対象に含めても問題ありません。ただ以前も書きましたが、F/Sで明らかにすべき最も重要な点は「自社のソフトウェアが受け入れられる市場(業界、顧客、具体的なPain Point)があるか?自社製品の機能が足りない場合、新しい機能を開発、あるいは他社の技術を取込むことで解決可能か?」というところであり、ヒアリングもその点を明らかにすることに集中させます。Jason Calacanisの言葉を借りると「Product/Market Fit」を見つけるというところでしょうか。
個別の顧客へのヒアリングは、自社の環境や自分の思いに対してバイアスがかかってしまう可能性があるので、パートナーや有識者(大学教授など)に聞くことを組み合わせることも有効です。ただしパートナーは顧客と比べてアポが取りやすい(パートナーシップの可能性があればパートナー側も無下にはできないので)ですが、市場規模など含めて割と楽観的なことを言うことがあるので注意が必要です。私の場合、ヒアリングの対象としてパートナーが多くなってしまい、顧客の声が少ない分、後で苦労することになりました。顧客の声をダイレクトに聞ける機会はお金を払ってでも設けるべきだと思います。
では、アポが取りにくい顧客へのアプローチはどのようにすべきかというと、私の場合は、その対象地域での調査会社やビジネス開発専門の会社を探して、ヒアリングのプロジェクトを組みました。そのような調査をしてくれる会社を探す場合には、検索等で調べると安かろう悪かろうの業者に当たる可能性が高いので、大使館や業界団体、人づてで紹介してもらうことが一番です。先方も他人からの紹介だと信用もあるので、変なことはできません。そのような会社は地場でのネットワークを活かしてアポを取ってくれるので、まずはプロジェクトのバックグラウンド、スコープ、期間、成果物、予算などを含めた簡単なRFP Request For Proposal)を英語か現地語で作り、それをツールとして対象機関や企業にコンタクトを開始しましょう。私の場合は、色々なところにそのRFPを使ってコンタクトしましたが、やはり大使館や政府機関から紹介された調査会社が良く動いてくれた印象です。
繰り返しになりますが、10億円(それ以上)投資するための調査ですので、手間とお金は惜しまずしっかりと予算を取って進めましょう。

Lake District

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