2018年12月1日土曜日

パートナーを探す(2)代理店開拓

海外の未知のマーケットで自社製品(特にB2B商材)がターゲットとするマーケットにリーチするには、代理店の検討は避けて通れません。元々代理店がその国に存在するなら話は格段に楽ですが、ゼロからの開拓だとある程度のリードタイムは覚悟する必要が出てきます。代理店を使うメリットとしては
  • 顧客網を既に持っている
  • エンドユーザとの間の言語、通貨、契約面の壁を吸収してくれる
  • 自分たちの代わりに製品を宣伝マーケティングして認知度を広めてくれる

などなど色々あるかと思いますが、後発でその国に参入するとなると、他の競合製品を検討したことが過去にあるケースが多いです。そのため競合をおさえて取り扱ってくれないと意味が無いので、「何がユニークなポイントか」を突き詰めて、且つシンプルな言葉で表現できるようにしておく必要があります。私の場合はそのような練り上げた資料を作成して、コンタクトしました。製品として特許を持っているとか、圧倒的な差別化要素を持っていると話の進みは格段に良くなります。差別化要素は既に海外進出前に持っていると思いますので、それをシンプルに表現しましょう(逆に差別化要素が弱い場合はそもそも海外進出すべきかどうかという議論になります)。

コンタクトリストは割と地味に検索などでリストアップして、代表電話からというアプローチを当初取っていました。これはキーパーソンに到達するまで最低2-3か月のリードタイムが必要で、且つヒット率も低い根気のいる作業になります。コンタクトはしたものの、会話するにしたがって戦略が一致しなかったり、マーケットが一致しなかったので合わないケースも勿論多々あります。そのためにもある程度量をこなすことが必要です。

ただ後から知ったのですが、英国では電話はスパムが非常に多く、電話が取られる確率は非常に低いそうです。逆に昔ながらのメールアプローチを得意とする企業も存在します(メール内容は相当に練り上げます)。 またイベントのブースにはキーパーソンがいるケースも多く、話も進みやすいので、電話でのコールドコンタクトは(確率はゼロではないですが)あまり多くを期待しない方が良いというのがこれまで得た教訓です。また初期コンタクトを業務委託するにしても、その委託先が元々ターゲットになるパートナー候補とコネを持っていた方が当然ながら話が進むスピードも確度が全く違うので、自分がターゲットとしている企業へのコネもベンダー選定のポイントになります。

また製品だけでなく、代理店にとってはどのようなメリットが得られるかもポイントになるため、パートナープログラムのようなパートナーにとってのメリットをまとめた資料は用意しておくようにしましょう。とは言え、パートナーにとってのメリットはその製品を取り扱うことによる売上やブランド力向上なので、一にも二にも製品力とそれを見せるメッセージングが不可欠なのですが。

交渉が進むと当然、契約の話も出てくるので、代理店契約のひな形は現地の言語(最低でも英語)で前もって用意しておく必要があります。価格表なども要求される確率が高いので、現地語現地通貨で早めに用意しておくことが無難です。

ただ、(現金な話ですが)代理店交渉はこちらから顧客候補を紹介するとあっという間に進みます。鶏と卵ではないですが、100%代理店開拓に注力するのではなく、ある程度エンドユーザを開拓しておいた方が、顧客要望に関する知見を貯めるという意味でも有効と思います。

Regent Street

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