2018年11月10日土曜日

リージョン間の交流


今回は少し余談です。英国での事業立ち上げのために赴任してから、これまで成功した決断と、それ以上に失敗した決断も無数にあったのですが、最も成功したと思っているのが、欧州事業を北米事業の(バーチャルで)下に付けるという決断でした。これによって何が起きたかというと、組織的にワンチームになったため、営業・エンジニアの交流が恐ろしいぐらいのスピードで進みだしました。お互い英語ネイティブなので、日本‐その他リージョンでの交流のような、ともすれば言語の壁から来る、コミュニケーションの壁もありません。チームの仲間が増えることは感情面でもチームにプラスになるので、リージョン間での組織的・心理的な壁が無くなることで、「どうすればサポートできるか」を皆考えるようにマインドセットも変わってきました。私をいちいち通さなくても日々どんどん議論が進んでゆくので、チーム力も勝手に上がって行きます。これはかなり驚きであると伴に嬉しい誤算でした。

丁度英国社員が入社してほどなく、チームアップのための「欧米の」オールハンズミーティングをやったのですが、これがまたタイミングよく情報交換が更に深まったため、大きくプラスに働きました。英米は言語もビジネスの考え方も近いので、交流によるチーム力向上を非常に楽しく見守ることができるようになりました。営業もエンジニアも、ユースケースや技術情報の交換により、思いの外、早期に立ち上がってくれたため、これは絶対的にお勧めできます。例えば、イギリスの優れた要素技術を持つベンチャーをアメリカ側に紹介したりといったことも、日々のコミュニケーションの中で気軽に出てきます。

リージョン同士の再編は大きい組織では簡単ではないですが、情報交流を促進するための仕組作りは、どのような規模の組織でもできます。SkypeSlackなど、コミュニケーションを促進するツールには今日事欠きません。最終的にはそれでビジネスが前進することが一番だと思います。企業が成長するためには製品力も不可欠ですが、人のダイナミズムがこれだけ影響するというのを目の当たりにしたのは、人生の中でも大きな喜びでした。(実はこのリージョンをくっつける重大な決断を30秒で決めたということはさておき…)

Winkworth Arboretum

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